赤い糸の先は。
どんっ!!
「わ!?」
地面にハデにしりもちをつくあたし。
男の人とぶつかってしまったようだ。
「あ、すみません…」
ぱっと上をむくと、

「------っ!?」

視界に入った男の人を見て、
思わず絶句。


や……
ヤンキー!!??

綺麗な金髪に、ピアス、着崩した制服。
同じ学校なんですけどっ!

でもその人は、あたしなんかには目もくれず、別の人を見ていた。

そのヤンキーさんの正面に、仁王立ちで腰に手をあて、ヤンキーさんを睨んでいる、女の子。
あたしよりも上級生っぽい。

かなり細い、可愛い顔をした人だ。
ゆるくうねった茶色のショートヘアも、良く似合ってる。
その女の子は、ヤンキーさんに向かって叫んだ。

「----私、別れないから!」


……え、別れ話!?

ちょっと待って!
めちゃくちゃ修羅場じゃん!!

でも、2人はあたしなんて視界に入っていない。
ヤンキーさんが言う。

「なんだよ。ちゃん別れたいっつっただろ」
「そういうことじゃない!確かに私は、自然消滅なんていやだって言ったけど!それは別れようって意味じゃ……」

……会話を聞いてて、一言。
完全にヤンキーさんが悪いよね!?

でも、そんなこと言ってる場合じゃない。
早く逃げないと……!
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