【完】どの夏よりも切なく

だから精いっぱいの思いを、綺麗にまとめた頭のおだんごと、空色に淡く大きな向日葵が描かれた浴衣に込めて、待ち合わせ場所に向かった。



神社の鳥居前。


入り乱れる人。


ソースの香りに混じって一際目立つ、ふわふわと漂うわたあめの甘い香り。



日下部のひとつだけ飛びぬけた坊主頭が目に飛び込んだ。



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