1つの願い事【完】
「そうだよ、お願い事考えてたんだ」
「やった‼美優大正解‼」
書くつもりなんてなかったのに…
無邪気で無垢な彼女を見てたら願いでも書いてみようかと思った。
「お姉ちゃんは何て書くの?」
「え?」
「美優はねー…」
次々に言葉になって出てくる願望。
でも、少女は書こうとはしなかった。
小学校に行きたいも、
外で走り回りたいも、
友達がたくさん欲しいも。
言葉にするだけで、文字にはしなかった。