1つの願い事【完】


『お姉ちゃん』



何故か鮮明に覚えているあの声。


おかしいな、3年も会ってないはずなのに。


会ったのさえ、ほんの数分だったのに。


声だけじゃなく、顔も白衣も身長もチューブも、全てを思い出せるくらいに覚えてる。



「美優ちゃんの願い、今年は叶えてくれなかったんだね」



大きな竹にそう言うと、風もないのにサラサラと葉が音をたてた。


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