カワイイだけじゃ物足りない

「にしても、初日から遅刻なんて何かあったの?」

ドキッ

女子のその質問に思わずびくついてしまう。

気絶した私を学校まで運んでくれたなんて言ったら絶対恨まれそうだ。

びくびくしつつ、青山くんと女子の会話に聞き耳を立ててしまう。

「…」

そっと青山くんの方に視線を向けていると、青山くんも一瞬チラリと私をとらえ、お互い目が合う状態になる。

が、すぐに青山くんの視線は話している女子へとかわる。

「あはは、道を大分間違えちゃってね…」

「えー、マジぃ!?青山くんってもしかしてかなりの方向音痴ぃ?」

「そんなことはないと思うけど」

笑いながら会話している二人を余所に私は沈む。

青山くんに迷惑と今度は気までも遣わせてしまったからだ。

何と言うことなのだろう。

ちゃんと、ごめんなさいと謝らなければ。

ちゃんと…

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