カワイイだけじゃ物足りない
その後、先生には恥ずかしさの余り涙が出たと言っておいたのだけれど、本当は人の優しさに触れたからということを私の心の中だけにしまっておいた。
保健室で寝たおかげで大分気分は楽になったし、あしどりもフラフラしていない。
そのまま教室へと辿り着く。
教室のドアは休み時間だからか普通に開いていたので、するりとくぐり抜け自分の席へと向かう。
途中私に気付きチラリとクラスメイト数人がこちらに視線を向けたのだけれど、すぐに視線は別の場所に向けられる。
席に着いても誰も私の席に集まってこない。
それは私を心配してくれる友人がいないという証。
クラスでは一人浮いた存在ということ。
特に虐められているという訳ではないのだけれど、友好的に話し掛けてくれる人がいない。
時々無意味に罵声を浴びせられることもあるけど馴れてるから気にしない。
私は誰からも必要とされてない人間だって理解してるから大丈夫だよ。