カワイイだけじゃ物足りない


ぼーっと窓の外を眺めていた。

何も考えずに生きていくことなんて有り得るのかな。

変なことをポツリと考えながらゆっくりと教室を見渡してみる。

ぼーっとしていたからなのか、今まで教室でみたことのない人がクラスメイトに取り囲まれていたことに気付く。

あ……れ?

あの金髪…

「へ〜!青山くんって料理得意なんだ〜!」

クラスメイトの中でも一際目立つ存在にあたる女子が大きな声でそう叫ぶ。

青山……く…ん?

「わぁ〜!今度アタシにも作って!」

問答無用のような台詞を続けて発言。

「うっわっ、美穂ずるい!じゃあ、私も」

「奈津子が言うなら私も」

それに続くかのように他の女子達も一斉に口を開き発言を口々にする。

「んじゃ、俺も」

「貴史は黙ってて」

「アハハハ」

周りにいた一人の男子の言葉に一人の女子が鋭く突っ込み集まっていたクラスメイトは一斉に笑い出す。

あそこだけ見ていれば何とも楽しいクラスにみえるなとふと思った。

温度差の違いに何時も通りだとしみじみ思い、ゆっくりとまた窓の方へと視線を戻す。


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