カワイイだけじゃ物足りない


暫くするとチャイムが鳴り、集まっていたクラスメイト達が自分の席へと戻っていく。

人がいなくなった席にはやはりあの美少年が座っていた。

えーと…

転校生ってことかな。

少しだけ考えて導き出した答えは単純なものだった。

今までこのクラスに居て気付かないわけなんかないし。

「んじゃあ、今から席替えをする」

ふと我にかえってみると担任が黒板に数字を書いていた。
どうやら席がえの番号を書いているらしい。

と書いてる途中に
「房名(フサナ)は余った所に入れといたからな」

いきなり私の名前が担任の口から出てきたことにびっくりするが

「わかりました」

と返事をしながら担任の言ったことを理解する。

私が気絶している間にアミダに名前を書いたということなのだろう。

席替えのためみんな一斉に机を動かす。

私の席は……
窓側の1番後ろ。

また窓側だ。

ちょっぴり嬉しくて机を持ちながら歩く速さを速める。

机を持ちながらバランスを取りつつ進んでいると、ガンと机を私の机にぶつけてきた男子がいた。

私と目が合うとチッと舌打ちをしながら、さっさと目的の場所目掛けて行ってしまう。

彼が言いたかったことは…お前邪魔なんだよと言うことなのだろう。

この考えを読み取ったからどうこうなるということではないので、私も目的の場所へと進む。

「……ふぅ」

やっと、落ち着くことができてホッとする。


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