キミへ
不思議な転校生


「転校生来るんだって!!」



興奮気味に言う雅(ミヤビ)に俺は雑誌から目線を外した。



「転校生〜?」

「うんうん! しかも女の子!!」

「どっからの情報だよ、それ」



女と聞いて興味が沸いたのか、龍が雅にそう聞いた。



「権田だよ、権田!」

「…権田が、何」

「だーかーらー! 権田がさっき話してたのをあたしは聞いたんだって!!」

「へぇ。名前は?」

「さあ?」



は? ダレもが同じことを思った。



「なあ、みやびん」

「みやびん言うな」

「名前、わかんねェの?」

「うん、分かんない」

「じゃ、どっから来るとか…」

「知らない」



ちょー満面の笑みで言う雅にみんな溜め息をついた。



「それで何で女とか分かったワケ?」

「女のカンってやつぅ〜?」



そこで俺は千嘉を一緒に行かせるべきだったと少しだけ後悔した。
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