キミへ
ガラッ!
勢いよく開いたドアからは怜衣と玲音が入ってきた。
「あ、お帰りぃ〜」
「……疲れた」
「あーマジあり得ねぇ…」
どうしたどうした。めっちゃ疲れてんぞ?
「あ〜…杏菜パフェ食ってる…」
「食べる?」
「えー? 俺らん時は嫌がってたのに〜?」
「あれ食べはじめだったじゃん? なんかぬるくなってきて飽きた」
「さっさと食べないからだよ」
「俺は残飯係か…」
「あはは、ゴメンゴメン」
ぬるくなったパフェを嫌々ながら食べてるとまた雅から質問が飛んできた。
「じゃあさ杏菜?」
「ん〜?」
「転校理由は?」
それにあたしはピタリと動きを止めた。
「え、あれ、杏菜?」
転校理由…ねぇ?
「別に、そんな大した理由じゃないけど?」
「どんな?」
……この子、遠慮って言葉知らねーのか…
まぁいいか。別に言ったところで差し支えないし。