キミへ
「じゃ行ってくんな」
「うん。いってらっしゃい」
いってらっしゃいだって!
可愛すぎだろ〜…。ますます誰にもやりたくねぇ…。
玲音は本気だし…イタチと龍はちげぇもんな。
俺は杏菜に手を振って教室を出ようとした時、ぎこちない笑顔で手を振って来た杏菜。
一瞬、戻りそうになったっつの……
店の方に戻ると、何事もなかったかのように再開していた。
「雅」
「あ、怜衣。」
「おか〜」
「玲音は?」
キョロキョロと見渡すけどそれらしき奴がいない。
あと、龍とイタチもだ。
「あ〜…」
「さっきの男フルボッコしに行ったよ」
「………マジ?」
「うん♪」
千嘉…なんっでそんな笑顔なんだよ…
「そろそろ帰って来んじゃない? てか杏菜は? 大丈夫なワケ?」
「ん? あぁ大丈夫」
「うちもアイツフルボッコにしてやればよかった」
だから、マジ満面の笑みで物騒なこと言うなよ…
−怜衣side end−