キミへ
雅に笑われてトレーに乗せるとそれを持って客のところへ行った。
接客って、やっぱ体力使うしメンドイ。
かといって裏方も接客よりもっと体力使うし疲れる。
ならやらない方が一番楽じゃんねぇ。
「いつまでサボってんの」
「いて」
ペシンとおでこを叩かれて仕事に戻った。
「杏菜ちゃーん」
「ん? あ、百合香」
「ポッキーちょーだい?」
可愛いよねぇ…百合香って。
なんであたしの周りには可愛い人と美人な人とイケメンしかいないんだろ…。
あたし浮くわ…。
「はいポッキー」
「ありがとポッキー」
「ぷっ」
なに? ありがとポッキーって?
あたしたちは可笑しくなって笑いあった。
「百合香…っありがとポッキーて……」
「だ、だよね…っ私も今思った…」
「お前…接客中じゃねぇの?」
「あっ!!」
そう叫んで手を振りながら仕事に戻って行った百合香。
「ぷくく…」
「で、いつまで笑ってんの」
「だだって…ありがとポッキー!」