キミへ
「着替えて来るから待ってろよ?」
「待ってますよー」
心配性な怜衣。あたしがどっか行くと思ってんのかな?
信用ないな〜、なんて思いながら壁に凭れた。
「あ、杏菜」
「お、みやびん」
「みやびん言うなっつの。何してんの?」
「怜衣待ち」
そう言った瞬間目を見開いたけど、すぐにニヤニヤに変わった。
「へぇ。そーゆーことぉ?」
「どゆこと??」
なんでこの子こんなニヤニヤしてんの。
「杏菜モッテモテ〜♪」
「…はぁ?」
「いいなぁ。モテ期、アタシにも来ないかなぁ〜」
なんだこの子、大丈夫か。
「失礼ね、大丈夫よ」
「………え!?」
「声に出てましたぁ」
ウソ…。気を付けよ…
ガチャ
「お待たせー?ってみやびん」
「だからみやびん言うな」
「何してんの?」
「おんなじ質問かよ」
「みやびんの恋を応援しよう隊隊長!」
なんて冗談で言ってみた。