キミへ

見惚れてた…? 完璧見惚れてた!

何これ…なんだっけ、こーゆうの……



「食べれんの?」

「デザートは別腹です!」

「ふっ…じゃ俺チョコ!」

「あたしイチゴ!」



屋台やってるお兄さんにそう言うと手早くクレープを作った。

すご、はや、うま!!

これはリアルにクレープ屋さんになれるんじゃあ……?



「いただきまーす」

「いただき〜」



パクッと一口食べて、あたしは怜衣と顔を見合わせた。



「「美味しい!」」



ハモった、ハモった。やっぱりおんなじこと思ってたんだっ



「俺の食べてみ?」

「ん、」



怜衣のを一口もらった。……こっちもうま



「食べる? あたしのイチゴ」

「食べる!」



子供みたいにはしゃいで食べる怜衣が可愛いくて笑った。



「うめぇ!」

「でしょ? てかあの人の作り方が上手いんだよ」



プロなみだよプロなみ! クレープを絶賛してるところに、あたしが一番キライな声が聞こえた。



「杏菜」




< 148 / 203 >

この作品をシェア

pagetop