キミへ
見惚れてた…? 完璧見惚れてた!
何これ…なんだっけ、こーゆうの……
「食べれんの?」
「デザートは別腹です!」
「ふっ…じゃ俺チョコ!」
「あたしイチゴ!」
屋台やってるお兄さんにそう言うと手早くクレープを作った。
すご、はや、うま!!
これはリアルにクレープ屋さんになれるんじゃあ……?
「いただきまーす」
「いただき〜」
パクッと一口食べて、あたしは怜衣と顔を見合わせた。
「「美味しい!」」
ハモった、ハモった。やっぱりおんなじこと思ってたんだっ
「俺の食べてみ?」
「ん、」
怜衣のを一口もらった。……こっちもうま
「食べる? あたしのイチゴ」
「食べる!」
子供みたいにはしゃいで食べる怜衣が可愛いくて笑った。
「うめぇ!」
「でしょ? てかあの人の作り方が上手いんだよ」
プロなみだよプロなみ! クレープを絶賛してるところに、あたしが一番キライな声が聞こえた。
「杏菜」