キミへ

そう自覚すると、一気に顔が熱を帯びる。



「? 杏菜? どした? 顔赤いぞ?」

「なっ、何でもない!」



こんなあたしでも、また、恋が出来るかな・・・。



「あっ!!」

「わっ」



急に大声を出した怜衣にかなり驚いた。



「な・・何・・急に・・・」

「文化祭! もーすぐ終わっちまう!!」

「へっ? ちょっ!?」



グイッと腕を引っ張られて走る。

ちょっ、誰かこの人に説明力をもっと上げさせてッ



「お、チョコバナナある」

「食べるッ!!」



食べ物で釣られるあたしもあたしだけど。



「よっしゃ、最後まで楽しむぞ!」

「うんっ」



今は、怜衣と楽しく過ごせたら、あたしはそれだけでいいや・・・。



「祭りみてぇな屋台いっぱいあんな」

「だね〜。あ、リンゴ飴」

「食う?」

「これ以上食べたら太るし」

「はぁ? もっと食っても大丈夫だ」

「ヤだよ。太ってお嫁に行けなくなったらやだもん」

「そんときゃ俺が貰ってやるよ」

「!!!」



その言葉は・・・・本気、ですか・・・・?




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