キミへ
「んで?」
「……何が?」
「何がって、怜衣好きなんでしょ?」
「う、ん…」
うわ…改めて言うと恥ずかしッ
「顔赤くしちゃってぇ」
「可愛いなコノヤロー」
「茶化すなっ!」
ニヤニヤしやがってコノヤローッ
「告白しちゃいなよ?」
「簡単に言うなっつの。てか、怜衣は絶対なんとも思ってないと思う」
「「はぁ??」」
うわ、ダブルで痛いなその反応。
雅と千嘉は顔を見合わせて目で会話していた。
…毎回思うけど、意思伝達?
「……あーんなに、分かりやすいのにねぇ…」
「杏菜は意外と鈍感なんだね」
急に喋りだしたと思ったら、何?
鈍感? あたしが??
「まさか」
「そして無自覚」
「そんなとこもかわゆい」
「バカじゃない…の……っくしゅ!」
あまりの寒さにとうとうくしゃみが出た。
さ、さむ…! 話し込みすぎて忘れてた……。
「可愛いくしゃみだね〜」
「かわゆいな。てか杏菜が風邪引く前に教室帰ろ」