キミへ
「別にそーゆう意味じゃない」
「へぇ…?」
「ニヤニヤすんなっつの」
今にも『ムフフ』と変な声を出して笑だしそうな雅。
「なぁなぁ雅、杏菜」
そんななか、めちゃくちゃ嬉しそうな顔で近付いてきた怜衣。
…その笑顔にきゅんとしたのは秘密にしておこう。
「水曜日みんなで遊ぼうぜ? 雅はどうせヒマだろ?」
「どうせってどーゆう意味だコラ」
「杏菜は?」
「ムシかてめー」
雅は舌打ちして口パクで『い い よ っ て い え』…って命令してきた。
「……ヒマだよ」
「よっしゃ! んじゃ水曜日で」
「場所は玲音ん家だね!」
「はぁ? 何で俺ん家なんだよ」
「広いし」
「それだけかよ…」
玲音も大変だよね…。みんなに振り回されて…。
「杏菜はどっか行きたいとこある?」
そう千嘉に聞かれてあたしは間を開けて言った。
「……寒いから動きたくない」
そう言うとみんな笑だした。