キミへ
はぁ…。帰り道がこんなに憂鬱なの、はじめてだよ。
雅に電話でもして相談しようかな……。
あたしは家に入って素早く自分の部屋へ駆け込んだ。
別に誰も居ないけどね
《もしもーし》
「雅〜…」
《杏菜ぁ? どした?》
なんかすっごい後ろが騒がしいけど、大丈夫?
「うん…、怜衣がさ」
《怜衣がどした? もしかしてコクられた!? よかったじゃーん》
「いやま、コクられたっちゃあコクられたんですけどね……?」
《え、何? てかなんで敬語?》
とりあえず、あたしはさっきあったことを手短に話した。
《出たよ。せっかち怜衣くん。アイツ、そーゆう事になると相手の話聞かないんだよね〜》
「みやびぃ〜、あたしどうしたらいい?
誤解されたまんまもヤなんだけど…」
《そうだねぇ…。誤解を解くしかないけど…、聞く耳持たなさそうだなぁ》
「はぁ…。水曜日遊ぶのにさ? 気まずいよ」