キミへ

はぁ…。帰り道がこんなに憂鬱なの、はじめてだよ。

雅に電話でもして相談しようかな……。

あたしは家に入って素早く自分の部屋へ駆け込んだ。

別に誰も居ないけどね



《もしもーし》

「雅〜…」

《杏菜ぁ? どした?》



なんかすっごい後ろが騒がしいけど、大丈夫?



「うん…、怜衣がさ」

《怜衣がどした? もしかしてコクられた!? よかったじゃーん》

「いやま、コクられたっちゃあコクられたんですけどね……?」

《え、何? てかなんで敬語?》



とりあえず、あたしはさっきあったことを手短に話した。



《出たよ。せっかち怜衣くん。アイツ、そーゆう事になると相手の話聞かないんだよね〜》

「みやびぃ〜、あたしどうしたらいい?
誤解されたまんまもヤなんだけど…」

《そうだねぇ…。誤解を解くしかないけど…、聞く耳持たなさそうだなぁ》

「はぁ…。水曜日遊ぶのにさ? 気まずいよ」




< 167 / 203 >

この作品をシェア

pagetop