キミへ
まぁそのあと千嘉がこてんぱんに怒られたのは言うまでもない。
「あの2人鬼みたい〜〜〜」
しまいにはこんなこと言って今度はおいかけっこが始まってた。
「鬼2人〜〜で鬼ゴッコねぇ♪」
「多くね?!」
確かに。なんてノンキに見ていたところ……、
「…え、」
雅が全速力であたしのところに走って来た。
「あーんなー! 捕まってくれるよねぇ?!」
そんな妖しい笑みを浮かべてあたしに問い掛けないでよっ!!
あたしはギリギリのところでひょいとソファーを乗り越えた。
そして雅はソファーとご対面した。
「ドンマイ雅。そしてあたしは逃げる」
捕まってない千嘉のもとへ走った。
…ん? 千嘉ってホントに捕まってない?
「千嘉」
「なぁに?」
「捕まってない?」
「うん♪ 捕まるわけない♪」
うそ…、じゃなさそう
「鬼が雅と怜衣は失敗したね〜」
「ね。ホントに鬼みた…い……」