キミへ

「玲音、鬼?」

「どっちだと思う?」



………すごいニコニコしてんじゃん。



「分かんない」

「だろうね」



玲音がなに考えてんのかも分かんないけど。



「………」

「鬼に見える?」

「見えるよ」



何もかも、ね……。



「えー? マジ? ま、鬼だけど」



やっぱり…。雅が捕まえたのは玲音だったんだ。

なんで寄りによって玲音なんだ…!



「捕まってくれる?」

「いや」

「即答…」



苦笑いする玲音にあたしは首を傾げた。



「なんであたしを捕まえたいの?」

「う〜ん…。いろんな意味で、かな?」

「その意味は?」



そう問うと苦笑いから笑顔に変えて近付いてくる。



「…鬼、でしょ?」

「違うよ?」

「でもだって……」

「鬼って言ったらどんな反応するかなってね」



…なんかその笑顔がうそくさい



「意味、教えてあげよーか」



また、にこっと笑う。




< 176 / 203 >

この作品をシェア

pagetop