キミへ
また、誤解されたまま見過ごすの…?
あたしには、怜衣しか居ないんだよ…?
だったら…、あたしが言わなきゃダメなんだよ
「怜衣っ!!」
怜衣を追おうとしたけど玲音に腕を掴まれて行けなくなった。
「離して玲音」
「怜衣んとこ行くの?」
「当たり前でしょ!?」
玲音の気持ちは分かった。
でも、あたしの気持ちは……。
「…ごめん。」
「……なんの、ごめん?」
「…あたし、玲音のこと好きだよ」
「……うん」
「でも、それは友達としての好きだから玲音の気持ちには応えられない…」
「…うん」
あたしは腕を掴んでいた玲音の手に、自分の手を重ねた。
「ごめんね。それと…こんなあたしを好きになってくれてありがとう」
にこっと笑顔を見せて、手を離した。
そしてクルッと踵を返して怜衣の行った方へ向かった。
「怜衣…」
ごめんね、避けたりして。