キミへ

また、誤解されたまま見過ごすの…?

あたしには、怜衣しか居ないんだよ…?

だったら…、あたしが言わなきゃダメなんだよ



「怜衣っ!!」



怜衣を追おうとしたけど玲音に腕を掴まれて行けなくなった。



「離して玲音」

「怜衣んとこ行くの?」

「当たり前でしょ!?」



玲音の気持ちは分かった。

でも、あたしの気持ちは……。



「…ごめん。」

「……なんの、ごめん?」

「…あたし、玲音のこと好きだよ」

「……うん」

「でも、それは友達としての好きだから玲音の気持ちには応えられない…」

「…うん」



あたしは腕を掴んでいた玲音の手に、自分の手を重ねた。



「ごめんね。それと…こんなあたしを好きになってくれてありがとう」



にこっと笑顔を見せて、手を離した。

そしてクルッと踵を返して怜衣の行った方へ向かった。



「怜衣…」



ごめんね、避けたりして。




< 178 / 203 >

この作品をシェア

pagetop