キミへ
1人で笑っていると、ちゅっとさっき聞いた音がまた聞こえた。
ん…?“ちゅ”??
目の前の怜衣を見ると、悪戯っぽく笑っていた。
「っ!!?」
「あ、顔真っ赤」
「なっ、えっ!?」
「ははっ! 仕返し。つか消毒?」
な…、んの仕返しだよ……。
「心臓に悪い…」
「もっと悪いことしよか?」
「殺したいんだ?」
「まさか」
そのキッラキラな笑顔が今はなんだかムカつくよ。
「あっ!! やっと見つけた!」
「今ねぇ、増やし鬼だよー。捕まってないの」
「お前らだけだからぁ」
「大人しく捕まってもらうよん?♪」
「いいよね?」
上から、雅、千嘉、イタチ、龍、玲音だ。
……みんな笑顔が黒いよぉ
「えっと……」
「拒否権は、」
「「「「あるわけないし。」」」」
ですよねッ!!
「んじゃ先手必勝っつーわけで!!」
「あっ!!」
怜衣の手から逃れて走るあたし。