キミへ
ごめんッ! けど悪魔…じゃなかった、鬼には捕まりたくないからッ!!
「杏菜ずりぃ!!」
これがかくれんぼなら良かったのになぁ。
「あーんなっ」
「げ…」
寄りにも寄って、龍ちゃんかよ……。
「捕まってくれるよな…?」
「んと…、ごめん無理」
「ふぅん…?」
逃がしてもらえないような笑顔だ…!
「……じゃっ!」
やっぱり、エースだし、一筋縄じゃ行かないよねぇ……。
「はい。杏菜捕まえたーっ」
かわいく言われるとムカつく…っ
「みんな〜、杏菜捕まえたよ〜」
あたしは捕まえられた、だけどね。
「てか増やし鬼でしょ? 捕まえるも何もなくない??」
逃げるのに必死で冷静な判断が出来なかった。
「そうだよ〜」
「でもおもしろいっしょ?」
「「何が」」
あたしはハモった怜衣と顔を見合わせた。
「あんたら…いつの間にそんな仲良くなったの!? お母さんは認めませんよ!!」