キミへ

「誰がお母さんだよ」

「反抗期!?」

「おい聞け」



みやびんはすっかりあたしのお母さんになってしまった。

…こんな小姑みたいなお母さん嫌だよ、あたし



「怜衣…」

「あ?」

「あんたどんな手ぇ使ってうちの杏菜を引き込んだの?!」

「いっぺんくたばれ」

「反抗期!?」

「くどいよみやびん」

「みやびん言わないでよ!!」



なぜ雅は“みやびん”というニックネームを頑なに拒むんだろうか…。今さらだが。



「はい、お遊びの時間はもう終わり。
ほら、帰った帰った」



時計を見てみるともう7時だった。

…楽しい時間は、あっという間だね…。



「んぁ〜…、じゃあ帰りますか」

「玲音明日も来ていいー?」

「来んな。」

「ちぇ、ケチ」



千嘉はべーっと舌を出して玄関まで走って行った。



「元気だなぁ…」

「アイツは四六時中元気だからね」



雅はそう言ってバイクのメットを渡してくれた。




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