キミへ
「アタシが送ってくからね。いいでしょ」
「ああ。けど事故んなよ」
「アタシの運転技術ナメんなよ」
メットをかぶって雅の後ろに乗った。
「ばいばい、怜衣」
「おう。またメールすんな」
「うん」
雅はあたしたちの会話が終わったのを見ると発進させた。
夜は一段と寒くなって、このまま凍るんじゃないかってちょっとだけ思った。
「はいついたよ」
「ありがと。」
「ん。じゃあね〜」
雅は手を振ってすぐに見えなくなってしまった。
はぁ…疲れた
1日でいろんなことあるんだもんな…。
「あ、杏菜お帰り」
「ただ…いま…?」
あれ、今の声って…
「お母さん?!」
「何よ。人を化け物みたいに」
ぶーぶーと頬を膨らませて文句を言う。
「し、仕事は?」
「終わったわよ」
「父さんは?」
「來亞と話してるわよ?」
「ふ、ふぅん…」
またビミョーな時期に帰って来るなぁ……。