キミへ
大嫌いな社交界
もしかして……、それがあるから、帰って来たとか……?
うわ、すごくあり得そうだ。
「あははは!! お、お帰り杏菜」
「あ、お帰りぃ」
「…ただいま」
何をそんなに笑うことがあったんだよ。
「よし。これで全員揃ったな?」
……まさか、だよね?
「杏菜、学校生活はどうだ?」
「まぁ…普通だけど」
「そうかそうか! ならいいな」
え……? もしかして、それだけ…?
「それだけかよ?」
やっぱりおんなじこと思ってたか、來亞
「あぁ? んなわけないだろ」
「やっぱし」
「察しがよくて助かる。時期も時期だしな」
…だろうと思ったわ。
「杏菜、來亞。お前らには今度開催される“伊良内(イラウチ)グループ”のパーティーに参加してもらう」
「「イヤだ」」
あたしたち、姉弟はパーティーが大嫌いだ。
小さい頃は行ってたけど、あたしは5歳、來亞は4歳で社交界へは行かなくなった。