キミへ
「おっはよぉー!」
元気よく登場したのは千嘉で、昨日の一件でめちゃくちゃブルー入ってるあたしには返事を返すという気力すら無かった。
そして、朝から溜め息しか出てない。鬱になる一歩手前だよ、これ。
「おー、杏菜〜?どーしたの〜」
「………、別に…」
「…やだ、杏菜が反抗期だわ!玲音!どーしよう!?」
そう言って慌てふためく千嘉に玲音は溜め息を溢して「落ち着け」と言った。
「まあ、放っとけば?」
うん、ちょー有り難い言葉だわ、玲音くん。
まぁ、その言葉に納得しない千嘉はぎゃーぎゃーと騒ぎ立てる始末。
「何で!?落ち着けないし!杏菜元気ないし!放っとけるわけないじゃ〜ん!!」
……放っといてくれても、あたしは平気なんだけどね…千嘉さん…。
「はよ〜…って朝から何騒いでんの?千嘉」
「お前声でかすぎ。」
「廊下まで聞こえてたぞ〜?」
上から雅、怜衣、イタチの順番で千嘉に言った。
あ、龍がいない…。また遅刻かな?
「だって!杏菜が元気ないの!」
「……はあ?」
「それだけで騒ぎすぎだって」
「テンション低いのは今に始まった事じゃねーだろ」
そう言ってみんな各々の席に座る。
ちなみに、あたしの席は玲音の隣から怜衣の隣に移動しました。
まあ…理由は言わずもがな、気に入らない、と怜衣が…ね。