キミへ
「……うちにはわかるんだよ!」
「何が?」
「そーゆー感情?的な…」
「曖昧だな、おい」
千嘉をちらりと横目で見れば、首を傾げて未だ言葉を悩んでいた。
「とっ、とにかく!なんかわかるんだよ!」
「あー、はいはい」
「イタチ、龍は?」
「今日は休みだってさ」
「ちょっとぉ!!」
千嘉を然り気無くスルー3人に、千嘉はぷくぅと頬を膨らませ怒る。
あ〜…半分はあたしのせい、だよなぁ…。
あたしは未だに膨れている千嘉に手招きし、体を起こした。
「ごめんね千嘉?心配してくれてありがと」
にっこりと笑えば、千嘉はがばりと抱き付いてきて「いいよいいよ〜!」なんて言った。
うん、実に扱いやすくて助かるこの子。
「おいこら千嘉。杏菜は俺んだぞ」
「!」
べりっと千嘉と引き離され、代わりに怜衣が抱き付いてきた。
…はぁ。あたしの周りには抱き付き魔が多いなぁ…。來亞もそうだし。
(別に慣れてるからいーんだけど…)
「やだ、怜衣。千嘉にヤキモチ妬いてんの〜?」
「いつの間にそんな可愛くなっちゃったわけ?怜衣く〜ん」
ニヤニヤと茶化され、顔を赤くして怒ると思ったけど、
「わるい?」
なんて開き直るもんだから、こっちが恥ずかしくなって顔を赤くした。
それに…みんなびっくりして固まっちゃってるし…。
朝からなんつー爆弾発言してくれてんだか……。