キミへ


行くって…どこに?

怜衣の行動を不思議に思いつつも、着いていった。

そして着いた場所が、屋上。まぁ、途中からなんとなくわかってたけどね。



「怜衣?」

「あー、やっと杏菜に触れる!」

「へっ!?」



そう言い終えるや否や、がはりと抱き付いてくる怜衣。

どこの変態ですか、怜衣さん……。

顔が真っ赤になるのを覚えつつ、じっとする。



「…杏菜」

「ん?」

「大好きだよ」

「!?!?」



急にどうしたんだ。

動く範囲で見上げて見れば、照れながらもニコニコとしている怜衣が目に入った。



「……どうしたの、怜衣」

「んー…。」



彼は不安気に瞳を揺らし、またあたしをぎゅっと抱き締めた。



「玲音に取られてないかなー…って」



…予想外の言葉が飛んできて、あたしはびっくりだよ。



「怜衣は意外に心配性だって事がわかった」

「何だよ〜…結構本気なのに…」



それにクスリと笑い、少し背伸びをして怜衣の頬にキスをした。



「!」

「大丈夫だよ。何があってもあたしは怜衣の隣に居るから」



にこっと笑えば怜衣は嬉しそうな顔をして、唇にキスを落とした。



「一生離さないよ?」

「じゃあ、離れさせないね」



2人で笑い合って、今度はどちらともなくキスをした。


あたしの大好きな空間

それはみんなと一緒にいる空間

だけど、一番大好きな空間は

やっぱり、あなたの隣。



   −END−

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