キミへ
あーだこーだと終いには言い合いになってしまい、止めるに止めれない状況になった。
(あー…、止めるべきかなぁ)
とは思っていても眺めて見ているあたしはきっとその光景を楽しんでる。
ケンカしていても、楽しそうに言いたいことを言い合える。
そんなみんなを少しだけ羨ましく思えた。
「杏菜?」
そうあたしを呼ぶ声が聞こえて、閉じていた目をうっすらと開けた。
「ん…?」
「ねみぃの?」
不思議そうな顔で覗き込んでくるのは、さっきまでみんなと言い合っていた怜衣くんだった。
「安心して…」
「…そか。」
何がどう安心したのか、言ったあたしもイマイチ理解出来てないけど。
でもそれだけで理解出来た怜衣くんにちょっと驚いた。