キミへ
2ND

あのあと、ちゃんと収集がついたから良かったものの…。

手当てするあたしはずっと無言。

所々、怜衣くんが喋りかけてきたけど全部『黙って』で片付けた。



「……な、杏菜」

「………」



この通り。さっきから何回も繰り返してるやり取り。

きっと玲音も苛立って来てるハズだ。

現に、オーラがはんぱない。イライラオーラが。



「……何」

「何って…、なんでんな怒ってンだよ…」



頭を下げたままチラチラと見るもんだからそれがなんだか可愛くて仕方がない。

例えると、子犬がお母さんに怒られてシュン…として様子を伺ってる感じだ。




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