キミへ
「え、めちゃめちゃかわいいじゃん!」
「黒髪だなんて勿体無い!! 眼鏡取っちゃいなよ!」
「おいお前ら……」
あたしを可愛いと言う目の前の2人の方がかなり可愛いと思うけど……
「顔立ちきれいだし!」
「スタイル抜群だし!」
「背も高いし!!」
「「ゆーことなしじゃんっ!!」」
「……」
2人の迫力とマシンガンドーク並みの早口に驚きっぱなしだ。
「ねぇねぇ、イメチェンしてみよっ!!」
「ウチらの手にかかったらもっとかわいくなるよ!!」
…それ、あたしに拒否権ないよね? だって2人とも"!!"なんだもん。
「黒瀧、阿部」
「「あ?」」
マイナス零度な笑顔! え、何? 2人は双子? でも名字違うよね…。幼馴染みとか…?
(すごくあり得そうだ…)
「とりあえず席つけ。話しは後だ、後。」
「チッ。んだよバカゴリラ」
「今日オヤツにバナナあるぜ、ごんだ」
「町内真っ裸で10周するか?」
「「きゃ〜、ゴンダセンセーへ・ん・た・い!」」
バコッと手に持っていたファイルで頭を殴られていた。
(かわいそう…)