キミへ

「止めてやれば?」

「ヤだよ、めんどくさい」

「大変だよ、2人ともぉ〜。杏菜に見捨てられちゃったぁ〜〜」



そう大声で叫んだ千嘉。

え、なに?

そう思ってる間に、2人は物凄い速さであたしのところへ来た。



「杏菜っ、見捨てないでっ」

「てめっ、雅!」

「いって! 何すんだよ!」

「そりゃこっちのセリフだ!」



……いい加減止めてくれないとさぁ。



「雅、怜衣」

「ん?」

「何?」



笑顔で振り向いた雅と怜衣にあたしはにこーと笑い言った。



「ちょっと黙ろっか」

「「ハイ……」」

「ぶっ!!」



『文化祭の手伝いしてきて』と言えば無言で頷き、手伝いをしに行った。



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