キミへ

いつもはチャラくて頼りない男子たちが、今はかっこよく見える。



「目の保養になるね、杏菜」

「ん、だねぇ…。」

「お、千嘉、杏菜」



イタチがあたし達に気が付いて寄ってきた。



「どうぞ、お入り下さい?」

「イタチ…、どうしよう……」

「ん? どうした?」



千嘉の方を見たら………、あれこれイタチに惚れたんじゃね?



「イタチがめっちゃかっこよく見える……」

「え、マジ!? 千嘉どうした? 熱でもあんのか!?」

「あらら……」



ホラ、ね…。一目惚れってゆーの? こーゆうの。これ完璧千嘉の一目惚れじゃない。



「イタチ」

「ん?」

「おめでと」

「へっ?」



未だにイタチを見て固まってる千嘉をほっておいて奥へ向かった。



(あーもー眠い…)



ホント、イライラはんぱない。

低血圧って何かと損だよね。



「ふ、わぁ〜……」



右手で目を擦って椅子に深く腰掛ける。




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