可愛いあの子は危険生物<短>
普段平気で変態発言するるるかは、こういう時に限って弱くなる。
俺の本気加減が伝わったんだろう。
真っ赤になって目を逸らして、何か言おうとしているのか、唇は微かに震える。
「真っ赤だね」
ここぞとばかりにイジメる俺。
『近い…よ』
迫る俺の胸をぐいぐいと押す。
でも、小さくて力も弱いるるかに、でかくてある程度力もある俺を押し返すなんてことは出来なくて。
「ん?普通じゃない?」
しらじらしくニコリと笑う。
「るるかはいつもこのくらい近づいてくるでしょ」
『近づくのと近づかれるのは違うのぉ…っ』
つまりは、自分がやるのはいいけど、相手から強引にされるのには照れるんだ…。
なんだよそれ、めっちゃ可愛いじゃん。
「るるか可愛い」
『知らないっ…!』
知らないって…。
いや、貴方可愛いよ?
顔も勿論なんだけど、今となってはそれはおまけみたいなもので。
るるかという人間が可愛い。
なんかとてつもなく可愛い。
『意地悪…!意地悪新君嫌いー!』
あら、駄々っ子になってきちゃった。
でもこんな時は……
「これでも嫌い?」
るるかの唇に優しいキスをする。
『………………好き』
いや、もう可愛いすぎでしょ。