皇〜最強の名を冠する者〜
そう言われ、2人はフードと布を外す。
そして現れたのは、100人中100人が振り返るほどの美男美女だった。
しかも、まだ少年・少女とよべる程若い。
「あぁ〜、疲れた〜〜。」
そう言いながら、皇帝と呼ばれていた少年は近くにあったソファーに寝そべる。
さっきとえらい違いだが、これが彼の素である。
どうやら皇帝のときは作っているらしい。
「もう!だらしないよ、クロウ!!」
皇妃と呼ばれていた少女に窘められるが、クロウは軽く受け流し、彼女を手招きした。
「おいで、フィア。」
訝しみながらフィアがクロウへと近くと、クロウは待ちきれなかったのか、フィアの手を掴んで引き寄せた。
それにより、体をおこしたクロウの腕の中にすっぽりと収まる。
「〜〜〜〜〜ク、クロウ!?ちょっ…」
フィアの顔は沸騰しそうなくらい真っ赤だったが、それを知ってか知らずか、クロウは尚強く抱きしめた。
――――――独り身が見たら大変目に毒な光景である。