little love story
「ん…―??」
いつの間にか眠っていたみたいで
外はもう真っ暗だ
帰らないと…ってあれ??
肩に掛けてあるブレザーのジャケット
名札をみれば“若葉 蒼生”の文字
「あ、起きた??」
トイレにでも行ってたのか
濡れている手の水を振り払ってる
「蒼生…」
「ん??」
「なんでまだいるの??」
「唄が寝てたから」
「ぇ…??」
なにそれ…
うち馬鹿だから期待しちゃうよ…??
「ってか、唄の好きな人ってさ
俺だったんだ…??」
「へ…??」
「これ…唄の字だろ」
机をトントンと叩き文字を指す
「違っ」
「ふーん」
いきなり真顔になり
机を挟んだ向かい側に来て
私と目線を合わせるようにしゃがむ蒼生