【短】だいきらいなあなた
「ちょくちょく戻ってくるしな」
本人にその気はないのだろうけれど、あたしにはわかる。
ユーゴはあたしをめんどくさがってる。
一旦手を止め、いまだふてくされるあたしの隣に腰を下ろして、そっとあたしの頭を撫でる。
「遊びに行くわけちゃうんやし、応援してーや。 な、理恵?」
心底嫌になる。
そう言われたら、応援せざるを得ないこと、わかって言ってる。
ひどい。ひどいよ。ひどいよ。ユーゴ…
あたしは俯いた。
泣きそうになってる顔、やっぱり、見られちゃいけなかったから。
―明日、ユーゴは日本を発つ。