街角トレイン



「ありがとう!ララ♪
やっぱ最高!!ララの声って
キラキラしてるよね」
「キラキラ?してないよ」



私は歌を歌うことは好きでも
自分は歌が上手いなんて
今まで一度も思ったことはない。



あかりが言う"キラキラ"の
意味は全くわからない。



「じゃあ、次何歌おっか」
「何がいい?」



コンコン、コンコン



「ノック?うちらの部屋だよね?
ララ出てよ」
「うん。わかった」



ガチャ…



「こんにちは。お楽しみのところ
申し訳ございません」
「は、はぁ」



出てきたのは
見知らぬ女の人だった。



「さっき、trainの"君がいるから"
をお歌いになった方はどちらですか?」
「私…ですけど」
「素晴らしい歌声でした。
よかったら、この事務所に
入ってみませんか?」
「…!?」



見ず知らずの女の人から
手渡された小さな紙には…



『優voice事務所(ユウボイスジムショ)』
と記されていた。



優voice事務所は
有名な歌手勢揃いの
大きな事務所。



入ってみませんかって…
もしかして、…






スカウトーーーッ!?






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