街角トレイン
なんでキキくんがここに…!?
「ら…ララちゃん!?」
「なんだぁ♪二人共、知り合いなの?」
「エミさん!有名な作詞家ってまさか…」
「俺だけど。何か?」
どうしよう…!
「エミさん!
違う作詞家さんに
お願いできませんかね?」
「ごめんねー…社長命令なの」
嘘でしょー!?
「んじゃ、後はお二人で♪」
「ちょっ、ちょっと!エミさん!
どこに行く―…」
あぁーあ。行っちゃった。
この気まずい雰囲気…
どうしたらいいのよ!
「ララちゃん…なんでここに?」
先に沈黙を破ったのは
キキくんだった。
「キキくんこそ…なんでここに?」
「そっちから言えよ」
「私は…カラオケボックスで
スカウトされて…キキくんは?」
「俺は…親父がここの社長やってて
俺に作詞家やってほしいって
頼まれてるから」
「へぇ〜…。それで…
何話せばいいの?」
「なんか…俺が書いた歌詞
読んでもらえってのが…社長命令」
「そっか。見せて」
私は、キキくんから
歌詞カードを受け取った。
最初に目に留まったのは…
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ある女の子に恋をした男の子は
彼女を振り向かせるために
自分の想いを伝え続ける。
でも彼女には自分以外の
好きな人がいて…
最後には
自分の恋を犠牲にして
彼女の幸せを願い…諦めた。
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ストーリー。
ここから歌詞が生まれる。
素敵なストーリーだと思った。
私は決めた。
「私…この歌を歌いたい!」