街角トレイン

｢…本気で言ってるのか？｣
｢本気に決まってるじゃない｣



私にもわからなかった。



なんでこんなにも
この歌詞に惚れて
無性に歌いたくなったのか。



でも、この歌が歌いたいと
心の底からそう思った。



｢わかった。じゃあその歌詞は
ララちゃんにあげる｣
｢やったぁ！ありがとう｣
｢ただし…｣
｢ただし？｣
｢作曲はララちゃんで｣
｢えっ!?私…絶対音感とかないよ!?｣
｢音感がなくたって
曲を作ることくらい
誰にだってできるよ。
嫌って言うなら…
その歌詞はお預けだな｣
｢そ、そんなぁ〜！｣



やるしかないの…かな？



やってみようかな…。



｢わかった。…やってみる｣
｢おう！できたら俺にも
ララちゃんの歌、聴かせろよ！｣
｢う、うん｣
｢てか…呼び捨てでいい？
俺のことも、キキって呼んでいいから｣
｢いいけど…なんで急に？｣
｢別に。いいだろ｣
｢…？｣



こうして、私はキキくん…コホン！
キキの歌詞に曲をつけることになった。



音感はない私だけど…
ピアノを習っていたため
音符は読める。



きっと…大丈夫！