街角トレイン
「お前…自分が何言ってるか
わかってんのか!?」
「わかってるよ?
キキと…付き合いたい」
勝手に口が動いてるみたい…。
私の想いが次々と
口から溢れ出る。
「ララ…俺は…」
「うん…キキは私じゃなくて
菊さんが大切なんだよね…。
わかってる…わかってるけど…
気持ちを伝えなきゃ
どうにかなっちゃう気がして…。
迷惑だよね、ごめんね…」
「ララのこと、好きだ。」
「…え」
「痴漢に…遭っただろ?
助けられたのは…ララをずっと
見ていたからなんだ」
「うそ…」
上手く頭の中が回転しない。
どういうことなの…?
「球技大会の日…
ララは別の男といた。
すごくショックで…
ララには彼氏がいたんだって知った。
心の中が空っぽになったみたいで。
そんなとき…俺は菊に告白された。
ララにも彼氏がいたんだし
自分も彼女作れば
気もまぎらうだろうって…」
「隼人は!部活の後輩で…
彼氏でもなんでもないから!」
やっぱりキキは勘違いをしていた。
私と同じだ。
「でもやっぱり…」
「?」
「ララとは付き合えない」
「なんで!?どうして…」
「今は…菊を優先させてほしい」
私の目からは
とてつもなく冷たい涙が流れていた。
「―…そう…だよね。
ごめんね!私、社長に
楽譜提出してくる!」
「おい!ララ!」
私はいつもこんな感じで一方通行。
私の恋は…
一生叶うことはないのかな?
キキが書いた歌詞の中の
男の子みたいだな。
キキの…バカ。