街角トレイン
「楠美くんに絶対音感が
あったとはな。驚いたよ」
「ありがとうございます。」
「最高の曲だよ。今すぐにでも
歌ってほしいくらいだ」
「18日にレコーディングの
予定ですよね?」
「あぁ。しっかりやってくれよ」
「はい」
期待されてる…。
こんな心の中がぐちゃぐちゃな私に
あの歌を歌いこなせるはずがない。
…キキのことを考えなければ
私はいつも通りでいられる。
でも…
そんなこと、できないよ―…
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『今日も病院行けないや…ごめんね』
『気にしてないよV(^O^)
ララ!頑張れよ』
最近、お父さんに
会いに行かなくなっていた。
忙しいのもあるけど
何よりお父さんが辛そうにしてるのを
じっとして見ていることが
できなくなったからだ。
レコーディングが終われば
やっと一つ大きな目標が
達成できる。
レコーディング終了後に
お父さんに会いに行こうと思っている。
「お父さんのために、頑張ろう」