街角トレイン
「早くも10000枚突破だぞ!
こんなの初めてだ!」
「ありがとうございます」
発売初日から4日で
10000枚も売れたのは
相当なものだった。
私の名前は
一気に世間に知れ渡った。
ファンレターや雑誌の取材なども
殺到していた。
「ララ。やったな」
「う、うん…」
キキとは…
なんだか曖昧な関係になっていた。
菊さんとも
まだ別れてないらしい。
キキと関わると
想いが溢れてしまいそうだったから
私はあれからずっと
キキを避けるようにしていた。
「私…明日も学校だし…帰るね」
「もう遅いし…送ってくよ」
「駅までだし、大丈夫。
ありがとう」
「…わかった。気をつけて帰れよ」
「うん。…じゃあ社長
お先に失礼します」
今日もまた
キキを避けてしまった。
本当は送ってくれると言ってもらえて
すごく嬉しかった。
悔しいけど…
私はまだ、キキが好きだった。