街角トレイン
「なんであたしまで
ララの手伝いしなきゃいけないのよー」
「し、仕方ないでしょっ!?
遅刻しちゃったんだから…」
「まぁ、ララの親友なんだし
一緒に罰を受けない方がおかしいよね」
「ごめん…あかり」
遅刻をしてしまった私は
先生に怒られ、放課後に
古文を40ページ分
訳さないといけなくなってしまった…。
それも今日中に。
当然、一人で40ページも
できるわけがない。
だから私は
部活で忙しいとわかっていながら
女子テニス部のエースで私の親友である
あかりを巻き添えにしてしまったのだ…。
「それにしても…ララ、なんで今日
遅刻しちゃったの?」
「そっ!それは…」
「何?…あたしに言えない理由なんだぁ」
「そんなことないよっ!!えっと……」
「もしかして!
例の片想いの人と、なんかあった?」
くっ…勘が鋭いなぁ…
その通りです。あかりさん。
「ぅん…まぁ」
「えっ!?何があったの!?」
「あ!そういえば」
私はポッケに入っていた
今朝拾った名札のことを思い出して
あかりに渡した。
「………夏桜高校…雨宮キキ…?…って、誰」
「―――っ、」
「ララ…まさか……?」
「……うん…そのまさか」