街角トレイン
「何するのよ!」
「別に。先輩、困ってたみたいだったから」
「それは…あかりの家に
泊まるか泊まるまいかを
必死で考えてたから…」
「なんで自分家帰れないんすか?」
「そんなの…なんだっていいじゃない!
それよりこの体勢…」
「教えてください!
じゃないと先輩の服脱がしますよ?
俺、これでも我慢の限界なんすけど」
「なっ!」
隼人って…
こんなに変態だったっけ?
私を見つめる視線が
なぜか…本気だ。
冗談だとわかってはいたけど
早くこの体勢から逃れたい気持ちと
隼人の私の制服のリボンを
ほどこうとしている手に負けて
言いたくはなかったんだけど…
「ストーカーに遭ってるみたいなの」
言ってしまった。
「先輩…」
「?」
「俺が守ってもいいっすか?」
「な、何言ってるの?」
「俺じゃ先輩を守れませんか?」
「む…無理に決まってるでしょ!?
それと…私にはもう彼氏がいるの」
「嘘」
「ほ!本当よ!」
「図星」
「違うわよ!」
「先輩…可愛いっすね」
「っ…」
何ドキドキしてんの!?
こんなクソガキ好きになるわけないでしょ!?
私のバカ!!目覚ませ!!
キーンコーンカーンコーン…
ナイスタイミング!
「隼人。私、授業に戻らないと」
「…」
「隼人、どいて?」
「…」
「隼人…私早く行かないと―…」
「逃がしませんよ」
「…!?」
隼人が私のリボンを強引に解く。
そしてブラウスのボタンにも
手をかける。
「やめて!!隼人!!手を離して!!」
「お前達!何やってるんだ!
もう授業はとっくに始まってるぞ!」
先生に見つかった…。
隼人はすごく焦っていた。
同時に、私も物凄く焦っていた。
「続きは今夜で」
ニッコリ笑いながらそう言って
私に学ランを被せて
先生に謝りにいく隼人。
そんな光景を見ながら
私はあかりの家に
泊まることを決めた。