街角トレイン
「隼人、ララにそんなこと…!
……許せない」
「大丈夫だよ。
結局何もされないで済んだし」
「そんなの関係ないわよ!
女の子にそんな怖い思いさせるなんて…
男として失格ね」
あかりの家に泊まることになった私。
久々にあかりと一緒に
お風呂に入らせてもらって
今はあかりの寝室で
今日の出来事について
話しているところだ。
あかりの言った通り
あかりのお母さんは
喜んで私を迎えてくれた。
お母さんの笑顔は
あかりにそっくりだった。
「隼人って、ララが本当に好きだよね」
「違うよ!隼人はあの時
ちゃんと別れを認めてくれたし…」
『先輩を奪い返したいです』
隼人を振って
…初キスを奪われたあとに
隼人が私に言った言葉。
なぜか頭の中をよぎった。
♪〜♪〜♪ [call☆非通知]
「ララ…これって…!?」
「違うよ!絶対…違う…」
「あたしが出ようか?」
「大丈夫。私に来た電話だし」
内心はすごく怖かった。
でも…違うと信じて
勇気を出して電話に出た。
「…はい」
『今すぐ自分家へ戻れ』
「嫌です!!」
『早くしないとお父さんの遺骨
もらって帰るぞ?』
「ダメ!!それだけは…ほんとに…」
『制限時間15分…ブチッ!
プープープー…』
お父さんの遺骨…
絶対に誰にも触れさせたくない!
こうなったら…
「あかり!?まだ電車あるよね!?」
「ギリギリ…あるけど…」
「自分家戻ってくる!」
「ダメだよ!!危ないよ!!」
「私を…信じて」
「ララ…」
「連絡するから!」
あかりを置いて出ていった。
猛ダッシュで駅まで向かい
電車に乗った。
電車の中は夜遅いからスカスカで
いるのは私と…
「キキ!?」