街角トレイン



キキは寝ていた。



キキの寝顔って、とっても綺麗…。



まつげは
たぶん私よりも長くて
女の子の私としては…
ちょっと悔しいかも。



唇は…キスしたくなるような…
そんな唇。



私は無意識のうちに
キキの隣に座って顔を眺めていた。



キス…してもいいかな?



ほっぺなら…いいよね?



だんだんキキの顔に
近くなる。



私が目を閉じた、その時。



「ん…。…ら、ララ!?」



起こしちゃったー。
キス…しそびれちゃったな。



き…気まずい…。



「なんで…ララが…ここに?」
「い、いやっ?
えと…家に帰る途中なの」
「こんな時間に?
つかパジャマじゃね?」



あかりの家から
直に駅までやって来た私。



当然、服もそのままだ。



「いやぁ…ちょっとね」
「ふ〜ん…。
じゃあなんで…そこに座ってるんだ?」
「えっ!?なんで!?」
「俺の隣になんで?」
「それはっ!キキの寝顔が…」



キスしようとしたなんて…
言えるわけないし!



「キキの寝顔が、綺麗だった―…!」
「こうしたかったんだろ?」



一瞬触れ合った唇…



私キキに…



キスされた…!?



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