夏の日の出来事


「俺の友達が言ってたんだけどさ」


「ん...はい...」


カーテン越しに聞こえる、先輩の声


「別れたの?」


「.....」


結構広まってるんだね...


「...別れましたよ」


「そっか。...それでクラスに居ずらくなって逃げてきた?」


「違います」


カーテンを素早く開ける


「お前さ、すっげーツラそうな顔してんだわ」


「.....」


シャーッとカーテンを閉める


「望んで別れたわけ?」


「...そうですよ。当たり前じゃないですか?別れるんですよ?望んで別れなきゃ、どんな理由があるんですか?」


「前、屋上でやられたこと今も続いてたんじゃねえの?別れろーって言われて。それで彼氏にも影響あるんだーって思って別れたんじゃねえ?」


「......」


ぶっちゃけ、図星で何も返せなかった


「弱くてもいい。怖くても、自信なんかなんもなくていいんだよ。ただ、彼氏を想う気持ちだけあればいいんだよ」


「...ゆっくり考えてな。なんか呼べ。俺、今日1日はずっとここに居るから」


先輩...完璧サボりじゃないですか...


そう言いたくても、声が出なかった


「ー...っ」


声を殺して泣いた


先輩に聞こえないように――









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