夏の日の出来事


「誰待ち??一緒に帰らねえ??」


「ちょっ...」


あたしと肩を組む


「恵吾、そいつ、俺と一緒に帰るの」


「慎吾かよ...つまんねー」


「うるせー。お前はその辺の女でも抱いとけよ」


「へいへい。じゃーねー、慎吾」


先輩は近くの女子を見つけては声をかけながら帰って行った


「ワリィな。...行くぞ」


「え?ちょ!!」


先輩があたしの腕を握って歩く


「ゆ...由愛...?」


「.....」


聖夜が、校門で立っていた


誰を待っていたのか、分からないけど...


「....」


あたしは目を伏せた


こんなとこ...見てほしくなかった...


きっと...聖夜は勘違いしたかな...?


もう...呆れちゃったかな...?


別れた次の日にはもう、他の男と一緒だったから...


きっともう...好きにはなってくれないだろうけどさ...


でも...だけど...


「おっ?」


あたしは、先輩の手を振り解く


「...?」


聖夜の前で止まる






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